スポーツイベント・競技会のビデオ撮影の基本とコツ

1.必要なもの・チェックポイント

ビデオカメラ

これがないと始まりません。必ず 前日までにテスト操作(実際に試し撮りをすること)をしましょう。故障していないかどうか、操作法のチェックにもなります。 使い慣れていない機種ならば操作マニュアルを持っていけば安心。

バッテリー

充電は完了していますか? 試合の間保ちますか?

足りない場合は予備を準備します。

記録メディア

本体メモリー(HDD)の空き容量は大丈夫ですか? 試合の間保ちますか?

メディアがSDカード等の場合は、念のためもう1枚予備があると安心です。

※最近は出番が少なくなってきましたが、DVテープを使うビデオカメラも まだまだあります。DVテープは入手しづらくなっていますので気を付けて。

三脚

右側にハンドルがついている「ビデオ用三脚」を選びましょう。 スポーツ撮影のキモです。

※スポーツ撮影時にあれば安心なもの

帽子・日よけ・タオル

晴天下・長時間でも耐えられるように。雨具

屋外・雨天決行の場合も想定しましょう。望遠マイク(ガンマイク)

選手・監督の声や、審判のホイッスルを確実に記録したい場合用意します。ヤジ、おしゃべりに邪魔されて、雰囲気がだいなしになる場合も。飲料・軽食

自販機・売店が近くにないかも。

2.情報

試合日時、会場、交通(手段・所要時間、駐車場など)を確認します。

会場には、試合開始の少なくとも60~90分前には到着するようにしましょう。

3.打ち合わせ

主催者に撮影の可否(撮影の許可がおりないこともまれにもあります)、 場所の指定があるか確認しましょう。他の参加者と情報交換することも大切です。

もし、他にも撮影する方がいらっしゃるならば、「撮影範囲」を分担することも できるかもしれませんよ。

野外チームスポーツのビデオ撮影なら

[1] 会場に着いたら(試合当日)やりましょう

1場所の確保

場所取りが映像を大きく左右します。まず三脚を立てて、場所を確保します。

撮り方にもよりますが、「試合をもれなく記録する」ならば、できるだけ高い位置、 コート・フィールドのセンターライン付近がベストポイントです。

「個人プレーを中心に撮る」ならば、コート・フィールドにできるだけ近い、 最前列の席(場合によりゴール付近)ということになりますが、 試合中立ち上がれない、全体を撮ることが不可能になる、など制約も多いので、 熟慮が必要です。

2機材のチェック

三脚にカメラを据え付け、試し撮りをします。 撮影モードは「オート」で撮影するのが無難で、失敗も少ないです。

もし可能であれば「屋外/室内」を設定するとより適切な映像になります。 意外と盲点なのが、カメラのビューモニター。晴天下だと、明るすぎて見づらいことが あります。

モニターの「明るさ調整」を試すか、ボール紙(ティッシュの空き箱などでOK)を使った「日よけフード」を自作するのも実戦的ですね。

3余裕があれば

会場外観、控室、選手・監督ミーティング、スコアボード、応援団メンバーなどを 撮影しておきます。

[2] ビデオ撮影のコツを伝えます

1カメラは「枠」。基本は(できるだけ)動かさない。

プロとアマチュアを大きく分けるのが、映像の安定性です。

映像は程度の差こそあれ「動き」を記録するものです。

その意味で、ビデオカメラは、動く対象を捉える「枠(フレーム)」と考えることが できます。

手持ちカメラの「ブレ」は、時には「臨場感」を表現するので、 アクセント的な手法としてはとても良いのですが、ブレ映像が長く続くと見づらく 肝心な試合内容が伝わりにくくなります。

※「ブレ」の映像を長時間視聴すると、乗り物酔いに似た「映像酔い(ビデオ酔い)」に かかる人が多くなります。

2試合中は、状況に応じて「パン」。「ズーム」機能で画角の調整。試合の流れをもれなく記録する。

上記の観点から、早い動きが続くスポーツ撮影にこそ、三脚でカメラを固定することが 重要であることがお分かりいただけたと思います。

しかし、当然ボールの動きに応じて「パン」(三脚のハンドルを持って、カメラを左右に 振ること)することも必要になってきます。

もっとも無難な方法としておすすめなのは、最初は (様子をみながら)「ズーム機能」で 広めの「画角」(ビデオに収録される映像の範囲)で撮影することです。

したがって、「コート・フィールド全体が無理なく撮れる撮影位置」が理想的と言えます。 プレーの状況に応じて、

  1. コート・フィールド全体 (ズームアウト) (実例:ロングパス、ゴールキックなど)
  2. コート・フィールドの1/2(中間)(実例:コーナーキックなど)
  3. コート・フィールドの1/4 (ズームイン)(実例:ジャンプボール、スローイン、 ゴール前の攻防など)

上記3種類の画角を「ズーム」で調整しながら、撮影しましょう。

ついついボールを持っている選手を「アップ」にしたくなりますが、 いったん画角の外に出てしまうと再度写すことが格段に難しくなりますので、 ここはグっとガマン(笑)。

もし、写真カメラの撮影の方がいらっしゃるなら、プレイ中の選手の表情のアップは、 その方にお任せしてしまいましょう。

荒業として、ビデオ撮影者(や、そばにいる人が)、自ら実況してしまう手があります。

カメラの近くで普通にしゃべる声は全て記録されますので、もし重要なプレーを 撮ってなくても、「〇〇番、シュート!」などと声だけでも入れておけば、 少なくとも「何が起こったか」の記録にはなります。

3ハーフタイム・試合終了

スコアボードを忘れずに撮りましょう。最終スコアの記録になります。

もし、可能であれば、三脚からカメラを外して、選手にできるだけ近づき、 生々しい「汗だくの表情」を撮りましょう。

さらに余裕があれば、選手・監督インタビューも良い記録になると思います。

プレー中は、選手一人一人の表情までは撮ることができないので、 ここで「ひと手間」かけることで、単なる記録を越えて、 より感動的な「おもいで」にすることができます。